コンテンポラリーダンスの森下真樹、ヒップホップ出身の川村美紀子、パフォーマーの川口隆夫。日本発、三者三様のソロが一晩で楽しめるイベント、Tokyo Danceにようこそ !

本公演は、CND(国立ダンスセンター)が主催するダンス・フェスティバルCAMPINGとタイアップして開催される。

森下真樹「東京コシツ」
1.5m平方の「コシツ」で展開される奇妙なダンス。成分表示なのか指令なのか、流れている女性の機械的な声に翻弄されるダンサー。やがて音声が動きになり、動きが言葉になっていく。加速されていくコミカルな姿勢に、都会のコシツに潜む孤独が重なっていく。10分でありながら、ダンスだけでなく、森下真樹の語感・空気感・演技力が存分に発揮される作品。今回は初のフランス語版として、テキスト・振りともに作り直した新しいバージョンとなる。

川村美紀子「へびの心臓」
闇のなかに浮かび上がる9つのスペースに川村美紀子が入ると、それぞれ異なる音楽が流れる。その音楽は川村の内的世界を象徴するかのように、多様性に満ち、感覚に直結した動きを生み出す。まさに生物の内臓に入り込んだかのようなドロドロとした直截的な表現。ストリートでダンスを学び、そこで習得した技術を自身の感性でコンテンポラリーダンスに昇華させた川村美紀子。横浜ダンス・コレクションEX2011で新人振付家部門・最優秀新人賞を受賞したことをきっかけに翌年に発表した作品で、いわゆる代表作である。

川口隆夫「グッドラック」
今回のフェスティバルCAMPINGでは「スロー」をテーマに5日間のワークショップを行う川口隆夫。Good Luck は3分の映画のシーンを想定し、30分に引き伸ばしたパフォーマンスである。映画は1秒間に24コマあるいは30コマの静止画を連続再生したものである。人間の目もそのようにして運動を知覚認識し、脳で補正をして運動として認識している。そのことに基づいて、人の動き(運動)を解体し、再構築することをここ10年、川口隆夫は行ってきた。David Vrankenが作った、日常を想起させる音響とあいまって、解体された動きをみる我々はそれぞれ異なるイメージを立ち上げることになるであろう。