振付、セット、ソロパフォーマンス:森山未來
音楽:三浦康嗣
共同振付:三東瑠璃

映像ディレクター:児玉裕一
共同ディレクター:Avidan Ben-Giat

キュレーター:長谷川祐子
制作協力:ZKM(カールスルーエ)

ダンサー、アクターとトランスジャンル的に活躍する森山未來がzkmで開催される「New Sensorium-Exiting Failures of Modernization」 のために作った、ソロパフォーマンス。
主体中心の西欧的モダニズムがさまざまな綻びを見せている現在の状況を古いOSにみたて、これを修正すべく、新たなOS—価値観が身体にアップロードされていく過程をパフォーマンスとしてみせる。森山の身体に覆い被さった新たな価値観を象徴する半透明の膜。彼の表皮—筋肉と身体全体の激しい動きによって、膜には亀裂がはいり、輝く結晶の切片のように皮膚からたちあがる。そのあるものは剥がれ落ち、あるものは汗によって溶け、再度、膜として身体表面に取り込まれていく。それは新しいデフォルトで作動しえなくなったものが身体から離脱していく過程であり、新たなOSの上に走る、主体—客体を包括していくプログラムの表象でもある。

意図的なコレオグラフィーを超えた、物質としての膜と身体との葛藤。森山の身体はあるときは動物のように、あるときは海洋のうねりのように動き、非主体的な圧倒的多様性を展開してみせる。 (テキスト 長谷川祐子)