現在、地球上の人口の約50%を占めるアジアの国々は、人口増加、経済成長も著しく、CO2排出量も多く、今後の地球温暖化の大きな鍵を握るエリアです。また、このまま温暖化が進むと、50年後には日本も今のベトナムと同じくらいの気候になることが予想されますが、各地域でも同様の気候変動が進んだ先にある地球の未来の姿とも言えるでしょう。このアジアの地域は、高温多湿な気候であり、その独特の自然観もあり、これまで人類が培ったサステナビリティの建築デザインとはまた別のデザインが必要とされます。自然から閉じるのではなく、自然に開き繋がりながら生まれる開放系の環境建築です。


本レクチャーでは、日本やアジアの諸地域で建築の設計活動をしている建築家・末光弘和が最新の環境シミュレーション技術などを駆使しながらこれまで実践してきた建築作品の紹介を通して、アジア型の環境建築・環境都市のビジョンについてお話します。