パリ日本文化会館と東京都江戸東京博物館は「東京-近代版画に見る都市の創成」展を共同で開催します。



1603 年(慶長8)に征夷大将軍徳川家康によって江戸幕府が置かれて以降、東京は、政治、文化、経済の中心地として発展してきました。1868 年(明治元)の明治維新を境に、江戸から東京へと移り変わり、都市は急速に近代化が進みました。さらに1923 年(大正12)の関東大震災により、過去の面影を残した古い街並みが一掃され、中心部は鉄とコンクリートの街へと一変しました。


復興した都市を実地検証し、同時代の生活をありのままに記録し研究する「考現学」を提唱した民俗学者の今和次郎(1888-1973)は、「今日の東京は、実に過去の東京ではない。全然跡形なく変わってしまったと言える程に」、さらに震災が「前東京の持つ性質を根本的に一変させてしまった」と述べ、東京の変化の大きさの実感を言及しています。


本展では、関東大震災という未曾有の災害と復興を目の当たりにして、それぞれの版画家によって多くの都市風景が描かれた1930 年代を一つのエポックとしてとらえます。伝統的な浮世絵の同時代の風景や風俗を描くという機能が改めて見直され、変わりゆく都市に多くの版画家の関心が向けられました。その変化に期待する高揚感とともに、失われてしまった過去の面影への哀愁が感性豊かに鋭敏に作品に表出されています。


これまで浮世絵について数多くの展覧会が行われてきたパリにおいて、東京の風景を描き出した近代版画をまとめて紹介する一つの機会とします。2024 年のオリンピック・パラリンピックという都市祭典直後のこの時期に、都市の変容について相互に考察の機会となること、日本近代版画への関心が生まれ、東京への理解が深まりますことを期待しております。東京都江戸東京博物館の収蔵品より、近代の版画とともにポスターや地図、服飾品等の資料 約100 点を展示します。




キュレーター:小山周子、新田太郎(東京都江戸東京博物館)









オープニング記念講演会

東京 1920~1930 ― 近代版画にみる都市の創成

登壇者:小山周子(東京都江戸東京博物館)

● 2024年11月5日(火) 


講演会

モダン 戦間期の東京における新しい風俗

登壇者:Sandra Schaal

● 2024年11月22日(金)18時~



展覧会ガイドツアー

有料、予約制、10月15日(火)より予約受付開始

● 11月14日(木)17時~18時 

● 11月21日(木)17時~18時 

● 11月28日(木)17時~18時 

● 12月5日  (木)17時~18時 

● 12月12日(木)17時~18時 







10名以上のグループでの訪問をご希望の場合、事前にstandard@mcjp.frまでご連絡ください(日本語可)。学校の団体予約は resagroupe@mcjp.frまでお願いします。


※学校団体予約を除き、20名以上の団体予約は受け付けておりません。


※お問い合わせの際、件名に【東京-近代版画展団体予約】と記載頂き、本文にご予約の希望日時、人数、代表者の氏名と連絡先をご連絡頂きますようお願いします。




当館にはスーツケースを含む、大型の荷物の持ち込みは禁止されていますので、ご注意ください。

https://www.mcjp.fr/fr/informations-pratiques/mesures-vigipirate-a-la-mcjp


作品保護及び建物維持管理のため、展示室内でのベビーカー使用はご遠慮いただいております。抱っこひも等をご用意くださるようお願いいたします